決まり手舟券術 パート2

レッスン5:意外にも大村は最下位!決まり手「差し」

全国平均では「逃げ」に続く出現率となっている決まり手「差し」。
「逃げ」との出現率の差は大きいが、その3連単平均配当はマンシュウに届きそうなほど高い。オッズ妙味を加味すれば、充分に勝負舟券になる。
「差し」出現率のランキングでは、尼崎が唯一の20オーバー。とはいえ、尼崎は「差し」と「まくり差し」の判定基準が、やや他場と異なる。純粋な差し決着の割合で見ると、おそらく三国がトップだろう。 三国は「まくり」ランキングで17位、「まくり差し」ランキングで19位と、「逃げ」を除いた決まり手では、「差し」以外が極端に少ない。三国を買うなら差し舟券。
これがセオリーとなる。
最下位に大村の名前があることにも注意したい。インの強い場では、内決着濃厚と見て、2コースの一番差しなども押さえたくなるが、大村で差し舟券は出現率が低いのだ。

レッスン6:オンリーワン江戸川が圧倒!決まり手「抜き」

あらかじめ道中逆転劇を想定しなければならず、舟券的には狙いづらい決まり手「抜き」だが、3連単配当は思いのほか高くない。これは、1マークで不覚をとったインの選手が、2マーク逆転などでトップに立つことが多いからだろう。よって、「逃げ」想定で舟券を買っていたフアンが多く、配当は安くなるのだ。
「抜き」の出現率ランキングをみる。10%弱で横並びの他場に対して、江戸川は飛び抜けて抜き決着が多いことがわかるだろう。江戸川といえば全国唯一の河川をそのまま利用したレース場。乗りこなすには経験とテクニックが必要だ。経験とテクニックにける選手は、1マークで先頭に立ってもターンマークごとに後続に帰られ、道中で逆転を許す場合も多い。江戸川の「抜き」出現率は「まくり」と同等で、「まくり差し」よりも高いのである。

レッスン7:自然条件の変化で狙うべき決まり手は違う!

気温や風波といった自然条件の違いによって、出現しやすい決まり手を見ていく。条件を絞り込むことで、イン逃げ絶対視できるレースや、波乱がありそうなレースが見えてくる。
気温ごとに決まり手出現率をみてみる。後述する他のレッスンに比べると、その影響は少ないのだが、気温21度~25度あたりは「逃げ」が決まりづらい。また、大まかな傾向として、気温が高いと「まくり」が出やすく、気温が低いと「差し」が決まりやすい。極端な影響ではないが、セオリーとして覚えておきたい。
また、それぞれ波高と風速の影響をまとめてみると、風波が穏やかなほど「逃げ」は決まりやすく、荒れ水面では「まくり」や「差し」の出現率が上がる。「まくり差し」は出現率があまり変わらないことも覚えておきたい。
また風向きごとの影響。ここはその影響が最も顕著に現われている。「まくり」は左横風、「まくり差し」は向かい風、「差し」は追い風時が最も出やすい。場合によって5%近い差異があるので、知っておけば舟券戦略に役立つこと間違いない。
なお、追い風時に「抜き」が多くなるのは、前述したように、1マークで流れたインの選手が、2マーク逆転でトップに立つことが多いからだろう。

レッスン8:レースの種別ごとに狙うべき決まり手も変わる!

レースの種別によって、狙うべき決まり手が異なるのかを見ていく。参戦するレースのカテゴリーで出現しやすい決まり手がわかれば、穴狙いの参考になるはずだ。
レースの格を2種類に分類し、それぞれの決まり手傾向を出してみる。ご存知の通り記念戦線では「逃げ」が出やすいが、その大きな要因は、やっぱり「まくり」が出づらいことにある。穴を狙うならば、記念戦線では「まくり」よりも「まくり差し」。これは必ず覚えておき
たい。
つぎにレース種別の影響。「逃げ」が決まりやすいのは優勝戦よりも準優勝戦となっていることに注目!本命党の大勝負ならば準優勝戦がオススメだ。
女子戦では「まくり」が決まりやすいものだが、女子レースのまくり決春率は約20%。これは、全国平均の4~5年前と同じ数字。「まくり一発!」の古き佳き時代のレースが好みならば、女子戦を狙いたい。
表17は進入固定の影響。案の定というか、進入固定で「逃げ」の出現率は6割を超え、「まくり」は「まくり差し」にも届かない。進入固定でまくり舟券はご法度なのだ。

まとめ:「逃げ」鉄板のレースとは「まくり」が決まりづらいレース!

条件を絞って各決まり手出現率への影響を見てみたら、全体を通じて、はっきりとわかったことは、「逃げ」が多くなったのは、「まくり」が決まりづらくなっているからだということ。
「まくり差し」や「差し」の出現率は、ここ最近は下げ止まりだが、「まくり」だけは不遇の時代が続いている。阿波勝哉や澤大介が6コースからまくりを連発できるような時代は、いつか再び訪れるのだろうか?